いのちと健康センター(2022/11/01 No.177)

中央安衛 メンタル不調が急増!コロナのせい?

 1996年「行財政改革」と称して人員削減を開始。1万1358人の在職職員をどんどんと削減した。結果、2040年からは右肩上がりで長期病休者が増加。09年には千人当たり1・25人と、最高に達した。
 それから安全衛生委員会等の取り組みが強化され一次予防(未然防止)、二次予防(早期発見・早期対応)、三次予防(職場復帰と再発予防)の3段階で、状況に応じた様々な取り組みが強化されてメンタル不調の長期病休者率が抑えられ、10年後の2019年には、北九州市の職員に占める病気休職者の割合(千人率)が0・84‰までに抑制できた。
 安全衛生担当は、減少した要因に「ラインケアの浸透や事前相談が増えたこと、心療内科も増えて受診しやすくなったこと」をあげている。

メンタル不調の休職者が急増

 ところが19年、60人であったメンタル不調の長期病休者が、コロナ禍が始まった20年には一転して増加に転じ80人、21年が93人と急増した。
 千人率も、09年1・25‰が、19年の0・84‰まで下がり続けたが、20年は1・11‰、21年が1・29‰と、上昇に転じて過去最高比率を更新している。

残業命令出さず、仕事をさせる

 当局の原因分析では、「長期病休者の復職時の面談等で原因を確認しているが、複数の原因があり、職場での仕事上の問題と、個人の問題と半々という状況であり、原因の特定には至っていない」と 言う。
組合のアンケートや職場の職員から聞く話では、やはり所属長などが、時間外削減だけを押しつけるという問題が大きいように思われる。
 ある職場では時間外の申請を課長に上げたら「その仕事は今日せないけんのか」と言われ、申請を取下げて持ち帰って仕事をした。あるいは、「今月はノー残業マンスだから」と申請できず、モバイル端末を持ち帰り仕事をした。さらに、区役所でも「去年より残業が増えたから時間外はするな」と言われ、翌日朝6時から仕事をするといった話もある。
 そもそも時間外の削減は、ワークライフバランスなどの働き方改革の一環です。サービス残業を強要して実現させるものではない。

メンタル不調をなくす取り組みを

 業務を見直し、不必要な業務は止め、所属長が事務分担が偏らないようマネジメントした結果として時間外が削減されるものだ。しかし、仕事の見直しをせず、職員も増さず、時間外の削減だけを押し付けても、サービス残業を発生させることにしかなない。結果、仕事を抱え込んだ職員が疲弊しメンタル不全になったり、若い職員が退職に追い込まれたりしているように思われる。
 給与課安全衛生係は、長期病休者からの聞き取りの内容や勤務実態、医学的見知、職員の声を上層部や各区の衛生委員会に伝達すること。その上で関係者全体で論議出来る体制を創り、議論を通じてトップと全体が共通の認識を持てるようにすることが大切です。そうしてこそ「職員が人間らしく働くことができる職場」が実現するのではないでしょうか。

コロナが日常となった感染症対策・急場しのぎビニールシート

 コロナ感染症対策も3年目ですが、職場の対策は急ごしらえで、とりあえずイボ竹を立ててビニールシートを張った壁や少し進化した段ボール製シート張りシールド受付などがヨレヨレになっているのが目立ちます。コロナが日常化した今、全庁的に予算もつけて恒久的使用に耐えるシールドが欲しいものです。

つぶやき

 文化の日に、思う

 11月3日「文化の日」は、1946年に日本国憲法が公布された日。憲法が平和と文化を重視していることから、公布の日を「文化の日」として国民の祝日に決めたらしい▼日々の暮らしの基本は戦争のない平和な社会であることだ。ところが、ロシアがウクライナに侵攻。私たちは8か月もの間、リアルタイムで爆撃による惨状を目のあたりにした。しかも終わりが見えない。ウクライナの人々への連帯とプーチンへの憤りが沸騰する。同時に、日本は大丈夫か、不安が襲う。不安はテレビを通じ日々増幅される▼年末に安保関連3文書を改定すると言う岸田政権はチャンスとばかりに、国会も開かず「軍事費を11兆円に倍増」とバイデンに約束。憲法違反の敵基地攻撃能力の保有を当然のように語る。日本が攻撃されていないのに、米国が始める戦争に自衛隊が米軍と一体で敵基地を攻撃する▼憲法は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」と、尊厳ある国是だ▼岸田首相!断じて日本はアメリカの属国でない。戦争をしないと決めた憲法9条を持つ日本は、戦争を起こさないため、しないために、平和外交を貫いて欲しい▼お手本は東南アジアの国々。「紛争は話し合いで解決する」を貫く。これに「日・韓・中・米・露を加えて平和の枠組みを東アジアに」と提唱。耳を傾けましょうよ。(N生)