いのちと健康センター(2022/04/01 No.170)
コロナ禍も3年目、臨時から常設対策こそ必要
4月、2020年3月に新型コロナ感染症陽性者が北九州市に発症してから3年目の新年度を迎えます。
職場での感染症対策は、飛沫感染対策として臨時的な手作りのビニール膜を張ったスクリーンの設置やアクリル板などそれぞれ職場単位の予算対応で行われてきましたが、安全衛生の観点からもコロナ感染症対策としても北九州市全体として臨時的なものから常設的なものへと、市が予算も措置してクリーンなものへ変えて貰いたいものです。
自治労連 調査で「過労死ライン」を超える実態が
「長時間労働に歯止めをかけ、実効的な労働時間の上限規制を」~2年におよぶコロナ対応はもはや「臨時的」ではない~
3月7日、自治労連は記者会見し、新型コロナ危機下での「『過労死ライン』を超える働き方の実態調査」の結果を公表、改善を求めました。
「コロナ危機が2年以上も長期化する中、自治体職場ではコロナ対応が労働基準法第33条の『臨時的』に該当するとされる月80時間を超える長時間労働をしている職員が沢山いる。野放しになっている異常な長時間労働を規制し、コロナ危機であっても働くルールを作ることが必要」。
人員増は待ったなしに
「回答のあったすべての自治体で、過労死ラインを超える働き方をしており、月200時間を超える時間外勤務実態さへ全ての自治体であった」「最高は月298時間で、1日10時間の時間外労働を30日間連続で続けない限り達しない。休みも与えず働かせ続けたということになる」。
「ある保健師は、持ち帰りの公用携帯電話で深夜3時に救急隊員からの電話に対応。その救急隊員も交替制でなく昼も夜も対応していることに驚いた。別の保健師は朝8時に出勤して翌日の午前4時に退勤し、わずかな仮眠をとってすぐ出勤していた。日をまたいで退勤する職員は多数おり、こうした状況の中で倒れそうになりながら働いている実態がある。まさに体が壊れ、心が折れてしまうような働き方の実態が続いている。健康管理のための医師による面談を受ける時間すら摂れない。自治体職員は『人員削減集中改革プラン』によって27年間にわたって削減され続けてきた。その中で困難な行政運営を強いられている。自治体職員の増員は待ったなしの状況だ」。
身も心も壊れる働き方
政府は「時間外労働・休日労働は必要最小減にとどめるべき」と言いつつ「職員が長時間労働を余儀なくされていることを把握している」と、言います。一方、総務省が発表した過去9年間の労災認定された事案の勤務実態を見ると脳心臓疾患を発症した職員の発症前の1ヶ月間の時間外勤務は231時間でした。これをはるかに上回る時間外労働です。
業務を減らせない職場では人を増やすことが一番の過労死防止策。政府は決断すべきです。
第2弾 残業実態調査アンケートの声①
2月15日、本庁舎で、今年度実施した2回目の残業実態調査に寄せられた声です。
●職場内での年齢のバランスがとれていないように思います。若年者へ仕事がかたよらないような、年齢のバランスのとれた配属がなされればよいと思います。
●選挙事務にしろ、コロナ応援にしろ、休日出勤する以上は原則手当が妥当だと考えている。
●人事課が理由を具体的に示さず、勝手に人員削減することが許せない。
●人員についてはギリギリの配置なのでゆとりがほしい。
●コロナの応援は委託や会計年度で対応し安易に他部署の応援で 対応するのはやめてほしい。日替わりで配置される職員よりも、一定期間同じ業務で雇用された人の方が業務効率はよいと思う。
●時間外を一切認めてもらえない。仕事が終わらず残っていると(時間外を申請していなくても)注意される。仕事の期限は変わらない。昼休みに働くしかない。年休もとれない。
●人が減らされているのに、新しい業務が増えている。チェックする暇が無く、何かしでかさないか不安である。
●病休中(メンタル)の職員が多い。代替え職員が入らないまま次の病休者(メンタル)を出した。負の連鎖が続いている。課長はしっかりマネジメントしてほしい。
つぶやき
プーチンは侵略戦争やめよ
2月24日、ロシアはウクライナへの侵略戦争を始めた。武力で他国の領土を侵略する。このような野蛮な悲劇が21世紀の現在、現実に行われたのだ▼「子どもたち」と表示して500人超の子供らが避難していた劇場が爆撃された。爆撃で多くの学校が、病院が、住宅が破壊され瓦礫の山に。多くの市民が血を流し、命を奪われている。第2次世界大戦の映像さながらだ。私の胸は強く痛み、怒りで体が震える。戦争は人間が行う最大の愚行だ、戦争で得るものは何もない▼3月2日、国連総会はロシアを非難し、ウクライナから即時撤退を求める決議を141ヵ国の圧倒的多数で可決した。さらに3月16日、国際司法裁判所はロシアに対しウクライナでの軍事行動を即時停止を命じる仮保全措置を出した▼1945年、国連は2度の世界大戦の惨禍の反省から国際紛争を平和的手段で解決するルールを掲げ、武力による威嚇又は、武力の行使を禁止する国連憲章に定め、ロシアも批准した。日本は侵略戦争を反省し、戦争放棄の平和憲法を掲げた▼過去の戦争からプーチンは何を学んできたのか。日本憲法9条がどれほど世界に注目称賛されているか知るべしだ▼「力には力」という声も聞くが、それは破滅への道。戦争反対、「ロシア・プーチンは侵略戦争をやめよ!」の声は全世界に広がっている。ウクライナへの人道的支援と合わせ、戦争反対の声を上げ続けよう。(N生)