いのちと健康センター(2022/02/01 No.168)

「やってる感」に騙されまい オミクロン感染拡大で職場は 人が、電話が、パソコンが足りない

 新型コロナ「オミクロン株」が猛威を振るっています。「空気感染か?」と報道される程、世界中で超急速に感染が拡大しました。日本の1日の感染者は8万人超(1月29日)で感染拡大は続き、ピークは見えません。

これまでの対策を考え直せ

 第5波まで政府は感染対策に失敗を繰り返しました。科学的な対策と「検査・治療・保護(隔離)」を怠ったった結果です。それでも国民の高い公衆衛生行動に支えられてきましたが、6波では、これまでの対策を見直し、是正しないと社会活動の危機をさへ招きかねません。岸田首相の指導力欠如も囁やかれ始めました。
 首相はTV等に頻繁に登場し「国民の声に耳を傾ける」「スピード感のある対策をする」と、「やってる感」を演出する一方で、検査や医療、保健所の強化などの対策はしません。

科学的な対応へ切り替える

 無症状者が多い新型コロナは、誰でも、無料で、何度でもPCR検査をして感染者を保護・隔離しなければ感染拡大が防げません。しかし、検査件数は5波から増えていません。
 東京都内の保健所では「新規感染数が1万件を超し、連絡調整もつかず機能していない」「子どもが休校になったけど休めない。連日遅くまで残業」と、大変な状態です。PCR検査と保健所の人員を拡充しないと感染源の追跡が出来ません。検査キットの不足も露見しました。
 自治体にコロナ病床増床を求める、一方で一番頑張ってコロナ患者を受け入れている公的医療機関の急性期病床20万床削減を求め、削減実績に補助金を出す、矛盾した政策です。
「水際対策を強化した」と自負するが、米軍関係者は昨年9月から1月、までフリーパスで入国、市中に出る。沖縄県が「入国検査と外出禁止を求める」よう、政府に要請しても無視。大きな抜け穴ができて米軍基地から市中感染が拡大しました。 3回目のワクチン接種も、なんら知見がない「8カ月」を決め、接種は大幅に遅れており、第6波抑制には役立たない事態。一日も早く科学的な知見に基づく対策が必要です。

緊張と超長時間の連続で悲鳴

 市は、1月18日感染や濃厚接触で欠勤する職員が多くなっても各部署の業務が継続できるよう、全庁的に応援態勢を整えることを確認。市長は「行政サービスはライフラインに直結する。途切れさせないよう一丸で取り組む」と発表した。しかし、職場の実態は厳しい。
 2年以上、コロナ対応に従事する保健所は、緊張と超長時間の残業にさらされている。陽性者追跡方法や報告書の簡素化はされたが、自宅療養者の容体確認もままならない。「人が、電話が、パソコンが足りない」と悲鳴が、SOS状態が続く。

職場で支える・メンタルフォロー体制を

 感染者に「気の緩みがあったんじゃない。困る」との中傷や「家族・職場に迷惑をかけた」と自己責任も問われたりする。誰もが感染しうる病気だ。中傷や自己責任論は止め、職場のメンタルフォロー体制充実を。

残業実態調査アンケートの声②

 昨年10月に実施した本庁での残業実態調査に寄せられた声②

●人事は現場の状況把握して対処、適材適所すること。仕事の問題見極めをする時間が不足している。
 組織に協同体制がなく、スケジュール管理が行われていない。
● (人員)は課自体というより、全体的に足りていない。
 業務が減ることなく増える一方で、人事から残業ウィークや時間外削減といわれても限界がある。
 職場もそうだが廊下など暗すぎる、空気も全体的に悪くてやる気がおきないことがある。
●防災、選挙、ワクチン接種など従来は本来業務ではなかったものが、本来業務として位置づけられつつある。振替休日の取得と担当業務の調整で年休取得にたどりつけない。5日の年休取得の半ば強制する通知を個人的には取り下げて欲しい。
● 業務量が多いのに人が少ない。残業せざる得ないが課長は残業するなという。時間調整や効率をあげるのも能力と言い、人を増やす(要望)や業務の見直しなどはしない。
●夜、小学生の子どもだけにしておくことが頻繁。まともな生活でないと、精神的、身体的に苦しい。どうしたらよいのか。
●係長が部下の仕事を把握していない。部下から上司を評価する多角的評価を導入して欲しい(上しか見ない上司がいる)

つぶやき

春を迎える準備

 2月は寒さが峠を越えて少しずつ春めき、迎春の準備を始める季節。畑作もこの時期に春野菜を植え付ける土づくり。大根や白菜などの残渣を堆肥と混ぜて鋤きこむ。美味しい野菜たちには欠かせない作業だ▼今年は何を作ろうか、やっぱり定番のジャガイモ。寒い冬を耐えて春を待つ玉ねぎやそら豆に追肥をする時季でもある。自然の季節はこうして繰り返す▼私事だが、今春は孫の高校受験。入学試験願書の受付が月内に、3月には学力試験。孫は希望校を目指しラストスパート、中学生最後の猛奮闘中だ。努力が実ることを祈る▼さて、政治の春はどうだろう。1月17日から通常国会が始まった。国会には私たち勤労国民に春を届けて欲しいと思う。岸田首相はクールに施政方針演説をした。「コロナ後の新しい日本を創り上げていこう」「新しい資本主義」「新時代リアリズム外交」と、新々づくしだがその本心は何?と思案した▼「敵基地攻撃能力の検討」とキナ臭い。「ハトがタカに変身か。「桜を見る会」「森友・加計問題」は不問。「アベノミクス」は検証なし、向かうは古い安倍・菅政治か、国民の命と暮らしを脅かす道に見える▼首相は「国民の声なき声に丁寧に耳を傾ければ、そして国民と共に歩めば、自ずと改革の道は見えてくる」とも言う。が冷たい政治にもがく弱者の声は聞こえないようだ。国民に春の陽光が射すには国民の運動が必要だ。(N生)