いのちと健康センター(2021/05/01 No.159)

コロナを問う 国会論戦から 『良い仕事がしたい』そう思うあなたへ サービス残業は法律違反です

 「上司から与えれた仕事、しっかり良い形に仕上げたい」、そうした思いで多くの人がより完成度の高い良い仕事をしたいと業務に取り組みサービス残業をしていると思う。
ところが、これまで市議会でサービス残業が取り沙汰された時に当局は「不払いの超勤はあり得ない。サービス残業は一切ありません」とした答弁を繰り返してきた。
 一方、市職労はアンケートや出口調査を繰り返し行ない、不払残業実態を明らかにして答弁がウソであることを指摘、客観的に勤務時間管理するためパソコンのオフ時間活用を要求、当局はシステムを構築した。

霞ヶ関で残業の最長が月364時間

 政府が中央省庁で働く国家公務員の残業時間を調べたところ、昨年12月~今年2月に「過労死ライン」の月80時間を超える残業をした職員が、3カ月間で延べ6532人いることが分かった。そのうち、月100時間超の職員は延べ2999人いた。最も残業時間が長かったのは、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室の職員で364時間(1月)で、人事院規則で定めた残業時間の年間上限・原則「360時間」をわずか1カ月だけで超過した。続いて、長時間の残業は経済産業省の326時間(同)、財務省の266時間(同)でした。

参議院の内閣委員会で実態を追求

 3月22日参議院内閣委員会で、田村智子(日本共産党)議員が「公務員の勤務体系について」質問した。
田村「業務を処理するため超過勤務をしたが超過勤務手当が支払われなかった職員がいる。それなりの時間、命令がなくても仕事をせざるを得ない状況にあった。超過勤務命令がなくても仕事をせざるを得なかった。一般職の職員に関する給与の法律、給与法第25条では、手当不払いは1年以下の懲役又は3万円以下の罰金と云う刑事罰が科されています。重大な違法行為が、霞ヶ関に蔓延している。実態として違法行為がなされている」

大臣「超過勤務命令がなくても支払う」

 河野国務大臣「超過勤務命令がないままに仕事をしていたわけですから、これまでは超過勤務手当の対象になっていなかった。今後は、在庁していれば超過勤務命令がなくても、在庁していれば今後は超過勤務命令があったとみなしてキチンと時間をつけろと申し上げていますので、今後超過勤務命令がないままに在庁している職員に対しては、速やかに退庁をすることを管理職が求めると云うことでしっかりと超過勤務を把握し、手当を払うようにしてまいりたいと思っております」
田村「つまりは客観的に見て明示又は黙示の指揮監督下での業務に従事したと言えるのならば、超過勤務命令が行われ手当が支払われるべきだという大臣の認識でよろしいのですね」
大臣「そこにいて仕事をしていると言うのが明らかであればそれはもう超過勤務を行なっている、超過勤務時間の中に繰り入れるということは当たり前のことだろうと思います」

人を25%増すと残業ゼロが実現

 田村「人を25%増やせば残業時間をほぼゼロにできると言う、計算上はそうなる訳です。そこまで増やすかどうかは別の問題として、マネジメントだけでは限界ではないかと思います。職員を増やすことをしなければ抜本的な解決にはならないと思います」。この論戦は働かせ方の指標だ。市職労が要求して構築したパソコンオフ時間と超勤命令連動システムを活用して不払残業を根絶せよ!。

デジタル庁創設で行政サービスは⑥

 政府が「すべての行政手続きをスマートフォンひとつで60秒以内に可能にする」「9月のデジタル庁設置に間に合わせる」と、提出した「デジタル改革関連法案」が4月6日、衆議院本会議で可決された。
 翌日の新聞報道に、個人情報保護の後退や国家による市民監視は許されないなど懸念の報道が多く見受けられた。行政の職場で働く私たちにとってこの問題点は他人事ではない。

個人情報が『もうけのタネ』に

 行政が特定の目的のために集めた個人情報を『もうけのタネ』として民間企業に利用させて、成長戦略と企業利益に寄与させるのも問題だ。
 個人情報保護法制の一元化で、自治体の個人情報保護条例に縛りをかけ、自治体独自の個人情報保護の仕組みを切り捨てて破壊する。自分の情報を自己コントロールする権利も規定なしだ。さらに自治体の施策も国がつくる「システム」の鋳型に集約され、地方自治権が侵害される。

デジタル化を口実に窓口減少

 多面的な行政ニーズに応える対面サービス・相談業務を拡充し、住民の選択肢を増やして行政サービスを豊かにする政策が求められている。ところがデジタル化を口実に対面サービス後退が既に相次いでいるという。
 迅速簡便なデジタル手続きを生かすことは必要だが、拙速なデジタル化は民主社会の今後にに禍根を残す。

つぶやき ダンゴ虫とミミズの土づくり

 5月は夏野菜のトマト・キュウリ・ピーマン・スイカ・カボチャなどの苗が出回り、定植作業が忙しい。野菜をうまく作るコツは丈夫な苗となんと言っても土作りが欠かせない▼畑の残渣の下や庭の隅の落ち葉の下で「ダンゴ虫」を見かける。落ち葉などを食べて豊かな土をつくる虫「ダンゴ虫」は「森のお掃除屋さん」、子どもたちにも人気の虫だ。虫と言っても昆虫ではない、甲殻類でエビやカニの仲間、刺激すると丸くなることからダンゴ虫と言われる▼もう一つ土作りに欠かせない虫はミミズだ。が、あまり好んで手にと取って遊ぶ子どもは見かけない。ミミズは目がなく、手足もない紐状の動物で、「目見えず」からメメズ、ミミズになったとか。土と有機物を食べながらかき混ぜてくれる▼化学肥料は速効性があり野菜作りに重宝されているが、土が硬くなり野菜の味に旨みが不足する。化学肥料の無い時代からダンゴ虫やミミズは時間はかかるがフカフカの土をつくる、有機農業に欠かせない担い手だった▼効率優先の野菜づくり農業は、化学肥料と農薬で画一的なサイズの野菜生産を可能にした。しかし、土が固くなるには訳があり、野菜の成育を阻害する。コロナ時代を生きて感じるのは、自然の力こそ豊かな生活を支える大本のようだ▼遺伝子操作で開発した病害虫に強い種子や生育に必要な3要素重視の肥料には無いプラスアルファこそ「自然の力」だ。食べて生きる私たちの生活は、化学物質の添加を極力減らしてこそだ。虫と共存して持続可能な生活を考え直すことに。(N生)